勝手気ままに漫画を語ろう!忘れちゃってた古〜いのやら、昨日たまたま観たのやら。

ふと思い出して語りたくなったあの漫画。細かい事忘れてても気にしないで書いちゃってます。のんびり書けるときだけなので、更新は疎らです。気長にお付き合い下さいね。

雨のにおいのする街……その2 1970年代のコンピューター観

村にはリンクスを嫌う老婆がいる。
彼女を魔女と呼ぶ。
ある時リンクスが落としたリンゴを手を差し出すだけで拾うのを見たそうな。リンゴが浮き上がり、彼女の手に戻った…とか。
リンクスは今は身寄りもない。おばあさんに育てられたっぽく、どうやらそのおばあさんはリンクスの良き理解者だった気配。

一方のマイケル。
メドゥサの修理にかかるも、現地のスタッフは「こんなガキに…」と無視&不協力。
ちょっとどころか、あまりにも考え難い環境だけど、要するに、

周りに理解者のいない孤独な2人が惹かれ合う。

そういう流れだから、まあ、必然の設定かと。

さて、ここで出てくるマイケルの作業描写なんだけど……。

作業テーブルにむかうマイケルの後ろ姿。その手元には大量の細いコードが束になって垂れている。
いかにも「修理してます!」って感じ。

これと似た印象を持った絵がある。

メンテナンスで外したエド機械鎧オートメイルだ!

整備中のピナコの手元にはオートメイルに繋がったコードの束。違う点は、覚書なのか、各コードに貼られていた番号の紙かな。

ん〜〜〜〜、待てよ。

ピナコはオートメイル技師だよね。それはハードっぽい。
マイケルは何かの博士。チョーク持って計算する姿はソフト面の専門っぽい。
その作業風景に似た印象を受ける…なんてのは……?

そもそも1970年代のコンピューターのイメージは今とは全く異なる。
巨大であろう本体はもちろん、中がどうなってるのか見る機会なんて、まず、無かったし。
だいいち、ハードだのソフトだのって言葉も無かったし〜〜。

丸いディスクがシャッシャッと、変なリズムで回ってるのが見える四角い箱。
碁盤の目になったパネルにチカチカ流れるランプ。
際限なく打ち出されるパンチテープやカード。
並んでるのはボタン、スイッチ、ダイヤル、レバー。 
針が振れているメーター類がズラリ。

そんなもんでしょ?

バビルの塔のコンピューターもまさにこれよ。宇宙からやってきて、塔と3つのしもべを造った科学力だけどね。

地球へ…のラストに出てきた「コンピューター・地球(テラ)」。
あれを停止させるのは、
出力ダウン、停止!と叫びたくなるような、
「レバー」だった。

エヴァのマギの中は配管だかコードだか、つまり「管モノ」いっぱいで、多分意識的だろうけど生物っぽい。でも昭和のイメージと明らかに違うのは「キーボード」だろう。進歩だなあ〜。

いや、それは今だから思うこと。

マイケルの手元のコードの束はいかにもそれらしく、彼の高度な能力を表していた。
多分一条先生だって、コンピューターの中を見たことなかったろうと思う。
当時の私達にとって、コンピューターは全くの未来のシロモノか、
単なる❳「電子計算機」だったから。 
私が初めて就職した会社には、このシャッシャッシャッと動く機械があって、誰もそれをコンピューターとは呼んでいなかった。
「電算機」だ。
だから、修理って言ったらどうしたって、ドライバーやペンチが要りそうな、力技イメージ。
そして「雨のにおいのする街」は、私が会社で初めて電算機を見た、それより以前の漫画なのだ!

すごい!



………………なんだけど、

やっぱ、何の博士なの?マイケル君(笑)。



宿に帰ってからも遅くまで机にむかっている。

「濃いコーヒーが飲みたいなあ〜」
と、伸びをする。
「濃いコーヒーを持ってきたわ。お仕事たいへんなんでしょう」
と、実にタイミング良くリンクスが登場する。
そして彼女が煎れてくれたコーヒーは、濃さももちろんミルクも砂糖もマイケルの好みにピッタリなのだ。

確かに不思議なところはある。でも、魔女なんて架空の存在だし……。

「そうよ。そんなこと考えるなんて、疲れているんだわ」

………そうだな。確かに疲れて……。

マイケルはそこでコーヒーを落として驚く!

「今、なんて言った?!僕は何も口に出さなかったぞ!」
「君は人の考えていることが読めるのかい?!」

一度は否定するリンクスだけど、マイケルに見つめられて告白する。

読める。
心を許せる相手になら、自分の思考を送ることもできる。

魔女だ!本当にいたんだ!