勝手気ままに漫画を語ろう!忘れちゃってた古〜いのやら、昨日たまたま観たのやら。

ふと思い出して語りたくなったあの漫画。細かい事忘れてても気にしないで書いちゃってます。のんびり書けるときだけなので、更新は疎らです。気長にお付き合い下さいね。

リンリンちゃんの漫画……「みどりの炎を勝手に深読み。

美内すずえの漫画はいろいろ読んだけど、今すぐにタイトルやあらすじが浮かんできたものは

ジュリエッタの嵐

みどりの炎

パンドラの秘密

それぞれ、強烈に記憶に残ってるシーンや引っかかってる箇所があるのだ。

まず、「ジュリエッタの嵐」。
既読の方なら予想はつくと思うけど、
あのツララだよね。

洞窟内で疲れて眠るジュリエッタとヘンリー。
その頭上から焚き火の熱で溶けたツララが……!

ヘンリーの腹部直撃っ! 

あんなでかいツララの、しかも根本が溶けて落下するものなのか?

……とずっとモヤモヤしていたら、相当後になって同じような漫画のシーンに出会った。

タイトルは覚えていない😰。
ヤングジャンプとかヤングマガジンとかオリジナルとか、そういう類の青年誌だ。
折れて散りながら落ちてくるツララ。逃げる人々。
子供をかばって地面に伏せた女性を背中から「ドカッ」と串刺しにする!

いや、もう、こういうの、本当にあるの?

ネットで検索してみると、毎年そういう事故はある…と出る。 

ホントですか〜〜〜。

そう、雪国では軒先のツララば危ないから折るんだよね。
とにかく子供の読む漫画としては、相当に怖い現象だったのだ。
そういえばこの漫画、冒頭にギロチンで落とされた王妃の首をしっかり描いてたもんね〜。

「パンドラの秘密」はなぜ覚えているかと言うと、超能力モノだったから。 
これ一番ね。
次には主人エイメの髪型だ。
 
耳の前で小さな三つ編みにする。

あのスタイルを真似た。
本当は首に巻いたリボンも真似たかったけどうちの親には理解されず、「首輪はやめ!」と一蹴されてしまった。
クライマックスで津波を呼ぶシーンはかっこよかったけど、結局、巫女としての役割とは何だったんだろう……と思わざるを得ないラストな気がする。
一族が拉致されるのを防いだ、のはいい。
でもその結果、住む場所も無くし、この世界から退去する道を示しただけだ。
つまるところ、キミ達にはこの世界で生きる場所は無いよ、だから行きなさいってか〜?。
巫女の超能力は、彼らを黒い扉の向こうへ逃がす時が来たら、その時間を稼ぐためのものだったとか〜?

まあ、それなら多少は納得…か?
なんだか何の解決も得られないラストで、かなりモヤモヤした訳なのだ。

そして、さらに問題の「みどりの炎」。

これを読んだ後味はさら〜に複雑だった。

キャロルがかけおちした姉に会いに訪れたのは、砂漠の中の陰気な町。他所者を毛嫌う無愛想な人々、町はずれの不気味な森。
幸せだろうと思っていた姉はやつれ果て、怯えるように暮らしていた。
長い間砂嵐から町を守ってきた森の木も壊滅寸前だという。
そんなある日、植樹のための苗木が運ばれてきた。大切に扱えと言われたにもかかわらず、キャロルは枝を折ってしまう。…と、そこからはまるで血のような真っ赤な液が!
とっさに姉は自分の手の平を傷付け、折れた枝をつかんで人目をごまかす。そしてキャロルに今見たことは忘れろ!と叫ぶように言うのだ。
翌日から姉は体調を崩し、病院に隔離されたあと亡くなってしまう。
埋葬されたという森に忍び込んたキャロルは、そこに1本の木を見る。それは木と同化し、木そのものになった姉の姿だった。

周りの木々を見ると全てかヒトで、要するに森の木々は町の人達で出来ている、文字通り「人柱」だったというわけだ。

これだけ読むと恐ろしくて全く酷い話。

…が、
ここに「ウィルマ婆さん」が出てくる。
病で伏せているということらしいが、キャロルが部屋を覗くと、なんと土の上に座っている。
女性が食事ですよ〜と運んできたのは、桶いっぱいの水だ。ウィルマ婆さんは「それが一番の楽しみだよ」と、桶ごと抱え上げて一気飲みするのだ。
そして数日後、ウィルマ婆さんは亡くなり、埋葬のために森へ運ばれてゆく。

まあ、「そういうこと」なんだけど、
注目すべきは、そこに悲壮感が無いこと!
ウィルマ婆さんは明らかに、木になって森に入ることを受け入れているように見える。周りの人もそれを一種敬うかのように接していると思うのは、私の読み違いだろうか。

森には「ソロモン」という、こりゃど〜見ても魔物としか思えない化物の木がいる。森の支配者であり、創造主だ。
森と町の関係がどのように始まったのかはわからないし、長い時代の間では無体な事も行われたと思う。
でも、もしかしたら、この町には、
「いずれは木になって、町を、親しい人を守る」
という歴史が根付いていたのではないか?
年を取る。
病に侵される。
そういう者から順に森に入るのだ。その人間は敬われる存在だった。森は大切にされ、大きく強くなった時代があるのだ。

なんか、荘厳。

そういう思いでなきゃ、何百年も森も町も保たないよね。
そうやって続いてきた森が、今、壊滅の危機にあるという。
なぜか?

キャロルの姉さんは全く予定外の事態で木になってしまった。周りの者も、何より一番本人が納得できていないだろう。

そんな人間(…木か?)が、体を張って町を守るか?

そう。
時代は変わり、今の町の森は、そんな不本意で木になった(された)人達が増えてしまったのではないか?
そもそもキャロルの姉さんは「かけおちした」…とある。かけおちまでしたにしては、夫婦仲が全然よさそうじゃない。
これはひょっとして、彼女の消息を訪ねてくる者などがいないように仕組まれた計画だったとか。

こんな話は漫画の中にはカケラも語られていない。
全て私の独断による深読みだからね〜。

物語は過去最大の砂嵐が襲ってきて、森も町も飲み込んで終わる。奇跡的に救出されたのはキャロルのみ。
あ〜怖い話だったね〜だけでは終われない、複雑な余韻があった。

例えばだ。
町を守る…という強い意志を持った木々なら、最後の砂嵐にも勝てたろうか?
町を滅ぼしたのは、結局は、意志の問題か?

ん〜?なんか思い出すこと、
あるなあ。

劇場版銀河鉄道999の、機械化惑星。
反機械化の意思を持ったまま部品にされた者達が、惑星を崩壊させるアレだ。

考え過ぎ?
うん、そういう気もするね。

もうひとつ、考え過ぎなことがある。
木になりかかっているウィルマ婆さんが、水をガブ飲みするシーン。
植物なんだから、水、欲しい。
まあ、わかる。
でもなんか、ちょっと短絡的じゃね?
だからつい、
これまた思い出しちゃうんだな。

「ザ·フライ」。
転送装置のミスでハエになっちゃうあの映画。
段々と体の中でハエが優位になってくるブランドル博士は、俄然甘いものを食べ始めるのだ。

ハエは甘いものにたかるから…かい?

めちゃ、短絡的だろ。

しかもこの博士、
「最近は考えることまでハエになってきた」
みたいな発言をなさる。
ちょっと待てっ!

ハエの考えてることって何?

甘いもんのことか?
何かにたかることか?
たかる「アレ」を探すことだったりしないよな、まさか。

私はこのシーンのせいで、「ザ·フライ」にB級ランクを付けてしまった。

いやいや、
「みどりの炎」はA級ですよ、間違いなく。