勝手気ままに漫画を語ろう!忘れちゃってた古〜いのやら、昨日たまたま観たのやら。

ふと思い出して語りたくなったあの漫画。細かい事忘れてても気にしないで書いちゃってます。のんびり書けるときだけなので、更新は疎らです。気長にお付き合い下さいね。

誰もわかってくれない……誰かわかってくれるかな?古い漫画だからな〜。

ネットで検索じてみると、

「だれもわかってくれない」

というタイトルの本が出る。
出るというより、こればっか出る。

他には「誰にもわかってもらえない」という悩み相談だ。

「漫画」という縛りを付けて、「だれ」は漢字で「誰」にしよう。ようやくなんとか見つかる。
これはそんな漫画だ。 

そりゃそうか。半世紀くらいは昔の作品だもんね。

「りぼん」。多分「ビバ・バレーボール」と同時期だと思う。 
武田京子 作。単行本1巻完結。

昔の漫画を考える時に驚くんだけど、
記憶に反して異常に短い!
読んでた時はもっとずっと長い気がしていたのに、これも1巻で完結ぅ?
子供の頃って、読むのが遅いんだろうか。吸収する事が多いから、長く感じるんだろうか。

「誰もわかってくれない」。

暗くてヤなタイトルね〜。
なんでこんなタイトルなんだろう。そういえば主人公の女の子が「誰もわかってくれない〜」と心で叫びながら走るシーンがあった気がする。
でも、全体的に話はそこまで暗くはないと思う。ちょっとタイトルしくじってるんじゃないかな。

主人公はジュンという女の子。多分小学生……?高学年……かな😰
貧しい家庭の子で、目の見えない弟がいる。明るくて真っ直ぐで家族思いの良い子だけど、貧しいということで、クラスではのけものにされがち。
そんなジュンがある時通りかかった大きな家に、裕福そうな家族が越してきた。そこの娘はジュンに気さくに声をかけ、
「私の名前は早瀬奈留美。覚えていてね」と言う。

ん〜〜字は😰だわ。カタカナにしよう。

そしてナルミはジュンのクラスに転校してくる。
お金持ちで可愛くて優しいナルミはみんなの憧れに。そして彼女は越してきて最初に会ったジュンを一番の友人として接し、二人は親友になる。  
貧乏者のくせに…!と、クラスのいじめっ子、五味さんは面白くない。

放課後の掃除中、ナルミはジュンから貰ったペンダントをバケツの水に落としてしまう。長袖のブラウスのまま、水に手を突っ込むナルミ。慌てて袖をめくろうとしたジュンを、ナルミが払いのける。
その血相は尋常ではなかった!

こんな風の話。
文字にしてしまうと、なんともダラダラした大したことも起きない子供の争いか?(笑)
これを読んでた頃は私もナルミやジュンとちょうど同世代だった。
ジュンは貧乏家庭の子供だという設定だけど、この頃の一般家庭って、まぁまぁ、こんなもんだったよ。いつも同じ服着てたり、つぎ当ても普通。
自分の部屋があるような子はいなかったと思う。
だからお金持ちのナルミに、やっぱ憧れたな〜。

手を払いのけられたジュンは、ナルミに嫌われたかと、しょげて弟に顛末を話す。
弟。
これがまた、よくできた素直な良い子で、
「汚れた手でめくろうとしたんだろ?」と屈託なく笑う。
なるほど、ジュンの手の平は黒く汚れていた。

…が、五味さんは納得しなかった。
なぜならナルミは転校してきて以来、いつでも必ず長袖を着ていたからだ。
五味さんはナルミを呼び出し、いきなり彼女の右袖をめくった!

「き、気持ち悪いっ!」

ナルミの右腕には、傷とも瘤ともつかない、醜いアザがあった!

彼女はこのアザがもとで、これが友人にバレる度に転校を繰り返していた。
「一生、毛虫」。
とか言われたらしいよ。子供って残酷だからねえ。

五味さんはこの秘密をタテにジュンとは絶交しろ、友人は自分だとナルミに約束させるわけだ。

なかなか凄い話になってくるよね。
ナルミに裏切られたと絶望したジュンが。ガラスの破片でナルミに切りつけるシーンまである。
切られるのは、ちょうどアザの場所だ。

アザに加え、切り傷痕。ボロボロじゃん。

さすがに細かい展開は😰😰😰だけど、最後はちゃんとハッピーエンド。

アザのコンプレックスを乗り越えたナルミ。
会心した五味さん。
すべてを許したジュン。
3人で遊びに行く電車の中。
ナルミは上着を脱いで、半袖のワンピースを見せて言う。

初めて半袖を着た。今までならこんな勇気はなかった。

そうして右手のアザを見せるんだけど、

ん〜〜?あれ?

最初の頃よりも、アザの描き方が甘くなってた記憶があるよ。ま、いいか。

てな感じの、終わってみればいい話。
昔の漫画では、貧しい家庭の子はとてもいい子だよね。
この漫画で記憶に残ってるのは、

万年筆だ。

ナルミがジュンにペンダントと交換であげるのが万年筆。
そうだ。
仲良しの友達間で、何かを交換し合うのはよくやった。お互いずっと肌見放さず持ってること、そしてそれは2人の秘密だ。
この漫画ではその秘密が五味さんに利用され、ジュンがナルミから盗んだことに。
五味さんにアザの弱みを握られたナルミは、それを肯定してしまうのだ。

万年筆。 

中学に上がる時に買ってもらったりする、ちょっと背伸びした特別なものだ。
スポイトでインクを補充する。カートリッジになってるものもあるけど、補充式の方が、より大人っぽくて憧れだったのだ。

かと言って、大人になって、万年筆。
ってないな。


今思えば、ナルミのアザ。
手術でなんとかできるよね、多分。
お金持ちなんだし、転校と引っ越し繰り返すよりよっぽど現実的だ。
高原由紀の顔の傷だって、綺麗に治った。単純な外傷は手術可能だそうだ。硫酸で組織から壊れた蔵王権太はダメったらしい。 
あの一件以降、「権!」と呼び捨てにしてた由紀が「権太さん」と言い始めたのには引いたっ!
いや、いくらなんでもそこまで…。
       
         「愛と誠」の話です。

ナルミのアザが何故付いたのかは、本編には出て来なかったな。
あと、「五味」って名前。
ジュンが悔し紛れに「五味(ゴミ)、クズ、カス!」と独り言を言うシーンがある。
思うに、このセリフを入れたくて、この名前にしたんじゃないか……(笑)。

単なる語呂合わせだけど、言ったように、子供は残酷だ。
この名前の方が、小学生の頃にこれがモトでいじめられてたりしてたら悲劇。