勝手気ままに漫画を語ろう!忘れちゃってた古〜いのやら、昨日たまたま観たのやら。

ふと思い出して語りたくなったあの漫画。細かい事忘れてても気にしないで書いちゃってます。のんびり書けるときだけなので、更新は疎らです。気長にお付き合い下さいね。

海のトリトン……皆はあの最終回の意味が理解できたのか?私には、めちゃくちゃ異議があるぞ〜〜!

海のトリトン」を最初に観たのは、小学生の頃。
再放送で、だった。

最終回が近くなると、初回の放送を観て既に内容を知っている友人に

すごい最終回やで〜

正義と悪が入れ替わるんやで〜

と、かなり脅され(笑)た。

だから、実際に最終回を観た時には、
友人からの情報を確認するだけのような、
ふ〜ん、言ってたのはこういうことね…的な感覚で
特にショックも抵抗もなく、こんなもんかと受け入れていた。

その後、
5〜6年経って、
宇宙戦艦ヤマトを始めとするアニメブームの波に乗って、
水平線の彼方から、帰って来た! 
 
海のトリトン 劇場版」公開だっ!

私が高校生の頃だったと思う。
キッカケは何だったのか?
とにかくトリトンの、再ブーム到来!
新作ではない。新作カットすら入ってない。
なんと、6〜7年も前のテレビシリーズを編集して
劇場公開するという、超〜強気。
しかも、前編…?

結局観に行かなかったんだけど、
私の記憶とモヤモヤも、
水平線の彼方から帰って来た。
まるで小学生の頃に置き忘れた「ワスレモノ」を
思い出したかのように、
その昔、思考スルーしてしまった「最終回のショック」がアタマを占領した。


あれは、世間一般に言われてるような、

善悪ドンデン返しの衝撃結末なんかじゃ、

絶対に、ないっ!

皆は本当にそう解釈してるのか?
あの「法螺貝」の解説、意味がわかった?
そこにとんでもない話のすり替えがある気がするのは私だけ?

長年封印してきた私の反論を、
ついにぶちまける時がきたっ!
ちょっと長くなるけど、お付き合いを。



そもそもは、これだ。

トリトンが海底の都市に降りた時、街にいた人々はすべて死んでいた。

それについての法螺貝の説明はこうだ。

「お前がきた穴から太陽のようにオリハルコンのエネルギーが放射され、それで我々は暮らしていた。たがそれをお前は壊した」

これを聞いてどう解釈する?

放射されていたオリハルコンのエネルギーが無くなったから、我々は死んだのだ。

普通はそういう意味に取るよね。
でも、ポセイドン像が動いたのは、たった今。
エネルギーが降り注がなくなってから、まだいくらも経っていない。

そんなに、瞬殺するもんか?

例えば人は、太陽エネルギーが届かない地底にもぐったからといって、それだけですぐに死んだりしないよね。

ポセイドン族が全滅したのは、溺死だろう。
像が動いた後の穴に海水が吸いこまれていたし。

いきなり天井に大穴あいて水がなだれ込んだら、
逃げるヒマも場所もない。
あのポセイドン族の都市は、海底にありながら
周囲の水と隔絶された空気のある空間だったのだ。

とにかくあの法螺貝の話はおかしな点が多い。
人の言葉尻つかまえて揚げ足取るのは本意じゃないけど、はっきりさせよう。


●「この法螺貝は、オリハルコンの剣が近づくと働き、剣の輝きの力でお前の質問に答えるようになっている。しかし剣を抜くことはポセイドンの像をひきつけ、呼ぶことになる」●

一読ではさっぱり意味がわからない。
と言うより、謎だらけだ。
ポセイドン族はもちろん一度もオリハルコンの短剣を手に入れたことはないだろうに。
なんで、それで働くモノを作れたのか?
まあ、作れたとして、それが働く時は像が動いて
ピンチになる時だと認めている。
何がしたいのか、何を言いたいのか、まじで
よくわからない。

●「なぜあの像がお前たちの太陽なんだ」

「答えよう。お前がきた穴から太陽のようにオリハルコンのエネルギーが放射されて、それで我々は暮らしていた。たがそれをお前は壊した」

「お前たちが俺に壊させたんじゃないのか」

「答えよう。アトランティス人が伝えたその短剣はポセイドンの像を破壊するものなのだ。我々はそれをどうしても手に入れたかった」●

これは先にも記した法螺貝の説明の前後会話。
なんか違和感ない? ここ、話、噛み合ってる?
2つめの「答えよう」。答えになってないよね。

●「何故このようなことになったか教えよう、全てアトランティス人が作り出したことなのだ」●

ほらほら、おかしくなってきたよ。
「教えよう」って何?
法螺貝は「質問に答えるようになっている」んじゃなかったの?聞いてもいない事、喋り始めたよ。
絶対おかしいだろ。

●「ポセイドンの像を動かしたのもトリトン
お前だ。
我らポセイドン族を全て殺したのもトリトン
お前だ。
像を倒さぬ限り、世界が破壊されるようにしたのもトリトン、お前だ!」●

さあ!もう、決定だっ!
この貝は「質問に答えるモノ」なんかじゃない。
本当にそうなら、淡々と客観的に起こった事を、
聞かれた事を説明しろって。
感情剥き出しの単なる罵倒じゃん、これ。
腹いせの捨てゼリフ録音機だよ。


こんなものの言う事、マトモに取り合う必要なし!

さらに私ゃ、こう思う。

像が造られた時に生贄として地下に押し込められた人々が、像のエネルギーで生き延びた…と
法螺貝は語る。
そして、そのエネルギーを使い、
アトランティス人に復讐したのだ、と。

復讐…とは即ち、
アトランティス大陸を沈めたことだよね。

さあ、問題はここだ!

ポセイドン像は最初から海底に立ってたわけじゃあるまい。建立当時は堂々と、アトランティスの地上で空にそびえていたはずだ。
つまり、
アトランティスの王国を大陸もろとも水没させて
滅ぼしたはいいけど、
肝心の自分達まで、一緒に沈ませてしまったのだ!

浅はかだったんじゃない?
ポセイドン族、痛恨の計算ミスだろ。

まるでビンを水に沈めたようなモン。
しかもその空間は、たったひとつの栓が抜けたら
終わりなのだ。
だからその「栓を抜く」力のあるオリハルコンの短剣を探して、世界中の海を荒らし回った。

それをどう言ってるかというと、
「我々はこの狭い世界の外に出たかった。トリトン族を倒して平和に暮らしたかっただけなのだ」

いやいやいやいや〜!

たとえオリハルコンの短剣を手に入れても、
トリトン族を全滅させても、

海底の空間からどうやって地上に出るんだ?
全く別の問題よね。
無理よね。
それとも、像の力を使えば出られるけど、外にトリトン族が待ってたら怖いんで先に滅ぼすの?
短剣一本で全滅する今の状況と、どっちかより怖いか、よく考えだ方がい。


私が思う、事の顛末はこうだ。

アトランティス人、ポセイドン像を造り、
他国との戦争で連れてきた捕虜か奴隷を生贄にした。
   ↓
生贄のうち何人かがポセイドン像のエネルギーを
制御するのに成功。
地上への脱出と攻撃を試みる。
  ↓
何が起こっているか気付いたアトランティス人。
像の力を封じるオリハルコンの短剣を作り始める。
  ↓
短剣製造を阻止しようと、生贄人の攻撃激化。
結果やり過ぎ、大陸水没。像ごと自分達も水没しちまったよ〜、やばい。
しかも生き延びたアトランティス人、短剣を持って海へ散り散りになっちゃった。
  ↓
アトランティス人、海で生きるために進化。
海中で呼吸をし、女の子は人魚で生まれるように。
徒党を組めるような勢力は無く、自然、ひっそり穏やかに暮らす。
  ↓
海底に閉じ込められた人達。アトランティス人が
短剣を持って戻ってくるのを恐れ、怪人を作って
アトランティス人、つまりトリトン族を襲い、短剣を探し破壊しようとする。
  ↓.
そういう目的で作られたポセイドンの怪人。
トリトン族を狩るだけでなく、やりたい放題の
乱暴者揃い。海の平和を乱すポセイドンと、平和に生きるトリトン族の構図が完成。
  ↓
ある時、ポセイドンの怪人がトリトン族のひとりから法螺貝を奪う。
それはオリハルコンの短剣の力で質問に答え、
未来の子孫に歴史を伝えてゆくためのものだった。
それを手にしたポセイドンは、自分達に都合の悪い過去を語らせないよう、その機能を破壊。
単に自分達の正当性を訴えるだけのものに変えてしまった。
  ↓
トリトン族は減る一方。昔を知る者もとっくに
いない。
ポセイドンの怪人、そのうち自分た達のルーツも
忘れ、好き放題暴れる始末。
最初は何人かだった元生贄のポセイドン族。
海底の都市で一万人に増える。
  ↓
海底都市の秩序を保つため、「トリトン族を倒せは地上に出られる」と信じたのか、信じさせられたのか。
そしてやがて、トリトンがやってくる。


 



トリトンには戦う根本的な理由がわからなかった。
メドンもプロテウスもだ。
そしてなんと、
ポセイドン族の怪人もそうだった。

トリトンになぜ戦うのかを尋ねられたドリテアは
トリトン族は昔からポセイドン族の敵だった」
と答えた。

それ、なんの答えにもなってない。

昔…って、いつから?
敵だった…って、なんで?
わからないまま「敵ダカラ」戦っていたのだ。

この物語を嘆くとすればそこだと思う。

そして、トリトンにはなんの責任もない。

私に言わせれば、
生贄にされたのは理不尽ではあったろうけど、
アトランティス人に復讐ば果たしたはず。
海底に閉じ込められるハメになったのは、不運とは言え自分達の失敗だ。
そのすべてを僅かに生き残っだトリトン族に償わそうと、何千年も追い回すのはどうなんだ?
そのために無関係の海の生き物をも虐げ、
最後のトリトン族、しかも子供に、ヒステリックな罵倒を浴びせるようなヤツに、「善」なんて無い。

海のトリトン」の最終回は、
決して善悪逆転のお話ではない。

描くべきものがあったとすれば、

過去の経緯も、戦いの理由も忘れ、
敵だと言われてるからってだけで戦う。

その悲劇だろう。

トリトン話、まだもう少し続くよ。
でも次は、も少し明るい話で。