もののがたり。
「物の語り」。
「付喪の語り」と表記されてるところもあるみたいで、
「付喪神が語り部の物語」って解釈でいいのかな。
長い時を経た「物」に憑くとされる神、付喪神を題材にしたアクションファンタジーだ。
2023年に完結済で、今ならジャンプ+で読めるよ。
アニメも1期2期と放送されてるけど、まあ、こっちには触れずに(苦笑)漫画版の話をしよう。
「あの世」から迷い出てきた魂が古い物品に宿ることで人の姿に化身したもの、付喪神。
付喪神を鎮め、時には封印して現世の秩序を守る者、塞眼(さえのめ)。
幼少の頃、付喪神に兄と姉を惨殺された主人公、岐兵馬(くなとひょうま)は塞眼として逸脱した苛烈さで付喪神を狩る日々を送っている。
そんな彼が、
付喪神に守り育てられ、家族として暮らすヒロイン、長月ぼたんと出会う。
ね。
これだけでこの物語がどう展開してどう決着するか、な〜んとなく想像つかない?
あ〜〜結局そうなるんでしょ、って具合に。
確かにまあそんな感じだし、最終巻の表紙は盛大にネタバレしてるし(笑)、期待を外さない王道路線。
…だとわかってるのに、
めちゃくちゃ心が熱く、温かく、とことん滲みる作品なんだよね〜。
アクションはもちろん、ほっとするコメディ要素と、縁や絆。常世や現世、異界や神、符術や開門術…等々、日本人好みの神秘ワードがてんこ盛りだ!
多少強引で原理不明な設定も、迫力の画面とカッコ良さで納得させられてしまう。
特に兵馬達が使う武器「引き手」の発想は独創的で秀逸。
「引き手」。
襖とかに付いてる、開ける時に指を掛けるあの金具だ。
これで「開ける」。
何をや?
おそらく現世とは違う異境の扉、常世の扉、あるいは塞神の領域。
開けた門から力を引き出して武器や術に変えて戦う。
引き手を使うアクションがいちいちカッコいい。
そんなこんなでずっと褒めまくってるけど、それじゃあ記事として面白くないので、ここは敢えて粗探し…いやいや!
ちょっとしたひっかかりポイントを探して雑談してみる。
作品への愛を持ってお付き合いを。
ますはやっぱり付喪神について。
彼らって、何に憑くかは選べないのかな。
人の身に化身する時も、年格好や性別を選べないのかな。
付喪神の元は常世から迷い出た「マレビト(稀人)」。
そして稀人の元は常世で輪廻の順番を待つ魂だ。現世での罪や垢を落とされて、言うなれば無垢の状態。
そんなボンヤリした魂がフラフラ迷い出て、気が付いたらなんかの器物の憑き物に。
しかも付喪神になった後の性格や衝動は、憑いた器物の特性に影響されるって?
これって、もしかして、あれ?
器物ガチャ?
たまたま憑いた先が良からぬ意図で作られたものだったら、えらい不運だ!
いきなり悪役じゃん!
叢原火達のように刑具や拷問器具に憑いちゃったら、本人の意図しないところでいつの間にか怖い奴らになっちゃっうんじゃないか?
神と呼ばれる存在なのに、結局世に産まれ落ちるのは融通の利かないもんなのね。
こういう見方をしたら、やっぱり気になるのは婚礼調度の起源問題だ。
八衢黒壇が彼らを追い落とすために持ち出したイチャモンは無視するとしても、
本当にぼたんの神降ろしに時を同じくして突然顕現したのであれば、確かにあまりに都合が良過ぎて違和感は残る。
これ、結局答えが無いままにスルーされた感じなんだけど、それで済ませてしまうにはあまりに勿体ないネタではないか!?
ちょっと想像を巡らせて、彼らの起源をひねり出してみよう。
鍵になるのはぼたんの祖父、長月朧か?
あの神降ろしの時、現場の階上には長月家の婚礼調度品が並べられていた描写かある。
ありがち路線でいくと
「神降ろしの衝撃でまだ器に憑い汀いなかった稀人が引き寄せられた」。
ん〜〜〜?なんかつまらんな。
朧さんの強い祈りが作用した?
朧さんか禁じ手を使った。その影響で、その後亡くなった?
ぼたんに宿った稀人が呼び寄せた?
どれも当たり前過ぎてパッとしないなあ(笑)。
もうひとつ、婚礼調度に関して言っときたいたいのは、個々の能力の程がイマイチわからないってことだ。
薙は刀。
結は簪の柄のようなもので切り込むのはわかる。
硯は墨を飛ばす?
匣は封印と結界?
鏡は………鏡?
羽織は……布がひらひら?
付喪神の中でも屈指の実力者だそうだけど、攻撃力が強そうなのはふたりだけで、他は実際どんなもんか、よくわからない。
クライマックスで兵馬が彼らを「纏う」時、首から鏡をぶら下げてるのもちょっとシュールだし、何の力を与えてるのかが表現不足に感じる。
これはやはり、個々の戦闘で見せ場を作って欲しかった。
そして、問題の「現人神」について…だ。
これってつまり、
常世に迷い出たぼたんの魂を引っ張り上げる時にくっついてきた稀人だよね。
羽織の説明では、
「稀人は物に命と化ける力を与える、まさに神の如し」
「もし物ではなく人に宿れば、それこそ大いなる力を持つ現人神になるんじゃないか」
門守さん曰く
「何が起こるか、まぁいろいろ仮説はあるけど…」
要するに現人神の力とは、
あくまでも予想の話だ。
さらには、
物は人が使うもの→物より人が優位。
だから、
物に憑いた付喪神より人に憑いた付喪神の方が優位。
だから、
人に憑いた付喪神が他の付喪神を従えることができる。
という理論らしい。
これはこの作品最大の強引な設定だと思う(笑)。
前述したように常世に漂ってる魂は現世のしがらみを落とされて無垢な状態……
み〜んな多分平等だ。
稀人にも優劣は無いだろう。
ぼたんに降ろされた稀人もたまたまひっかかったのがソイツだっただけで、何かが特別なものではなかったはずだろう。
なのにさあ〜。
なんかすっかりその気になってるのか、
随分尊大じゃないか〜!(笑)
これも前述のように、能力や性格が憑いた器によるもなら、何の力もない赤子…成長してもごく普通の女の子じゃあ、たいした力は持てそうにない気がする。
まあ、例えばよ。
すごく野心があって、かなり歪んだ欲望のある人間に稀人ついたら大変だろうね。
それとも成人には憑けないのかな。憑くとしたら黒壇のように、稀人じゃなくて付喪神が乗っ取ることになるのかな。
なんか全然別の話が出来そうだわ。
さらにもうひとつ、これは残念な点。
物語の重要なポジションであるキャラ。
兵馬の兄姉、隼人と鼓吹。
そりゃ兵馬にとっては大事な家族だから、復讐に燃えるのはアリとしよう。
そう。
そこがこの物語の柱のひとつなんだけど、この二人の魅力…というか、存在がイマイチ好感度低くて感情移入しづらい。
回想でしか出てこないからかなぁ。
そもそも隼人は自分を「俺様」と称する自他共に認める天才だ。
これが、な〜んとも傲慢な奴っぽいオーラ出してるし、唐傘に殺されたのも本人達の気の緩み&驕りによる油断アリアリだ。
隼人ファンの方、ごめんなさい。
二人が串刺しになった絵が何度となく出てくるけど、いかんせん、この二人に惚れてないもんだから、兵馬の怒りに共感できない自分がいるんだよな〜。
それに、これはツッコミ過ぎなんだけど、
くなと はやと
くなと くすい
なんとなく、名前の語呂が悪くない?
「と」と「く」が重なってる。
それともこれは何かの符号か?
考え過ぎ…ですかねえ。
最後にとても気になる…好感度高いキャラを紹介!
八衢 菫ちゃん!
右目にかかる3本の傷、なぜついたの?
これ、めっちゃ気になる〜。
普段は傷を気にする風もなく、かえって誇示するように髪を上げて堂々としてるけど、ぼたんの警護で尾行する時は髪で隠してた。
本当は……なのかな。
そりゃそうだよね。女の子だもんな〜。
八衢家の次期当主としての覚悟が決まり過ぎてて、純粋でクソ真面目。
そんな彼女だから、女を捨てても家業に尽す…って表明で、自分で付けた?
な〜んて想像しちゃうよ〜。
スピンオフ!
出ないかな〜無理だよな〜。
ちなみに菫ちゃん。
相当胸が大きいのは、作者オニグンソウ先生の茶目っ気だよね(笑)。
あ〜〜いやあ、長くなった〜。