聖マッスル……世に出るのが早すぎた。今なら間違いなく大ヒット! 1
セントマッスル、と読む。
掲載誌は多分、少年マガジンだったと😰。
この漫画、同世代に聞いても
知ってる!
と言う人がいないっ!!
確かに連載期間はとても短かったと思う。単行本も1巻で完結のようだし。
でも、一度でも読んだ事があれば、絶対に忘れることのできない漫画だ。
もしかしたらだけど皆さん。
読んだにもかかわらずあまりの衝撃で無意識のうちに記憶の奥底に封印してしまったのではないか?
それほどにグロいとか? うん、まあ…。
めちゃくちゃに残酷? ん〜〜、まあそうね。
でもこの漫画があまりにも衝撃的なのは、そういう事ではないと思う。
ストーリーは比較的単純で、ありがちな話。
記憶を失った青年が自分は誰なのかを求めて彷徨い、先々で圧政に苦しむ民衆を助けてゆく。
雰囲気的には舞台をエジプトやギリシャ辺りにして、北斗の拳とベルセルクを混ぜたような感じ……かな。
え?ちょっと違う?
彼は話の始まりから後半まで全裸だ。
この「全裸」についてはいろんなサイトで十分に語られているようなので、もう今更。
裸なのは彼だけじゃないし、後半は服着るし、あの筋肉を徹底的に晒すなら服はジャマだろうし。
黒黒とした線と異様で異質な画面。
今ならこういうアクの強い漫画は珍しくないけど、この当時に少年誌でこれをやるのは相当に思い切ったカケだったんじゃないか。
結果としては失敗?
どう見ても作品としては中途半端で打ち切りっぽい終わり方だ。
主人公の記憶どころか、名前も無いままだし。
偉そうに語ってるけど、実はこの漫画で私がはっきり覚えているシーンは4ヶ所しかない。
ずっと読んでたはずだから、私も記憶封印してしまったうちの一人なのか?
彼が…名前が無いのでそうとしか呼べない。
彼が花畑で目を醒ます冒頭シーン。
一面の花畑で大の字で寝ている裸のマッチョだ。
なんなんだ?一体。
あまりの異様さにここで退散もできるけど、この先何が起こるのがつい気になる。
彼は気分良く目覚めたあと、いきなり自分に記憶が無いことに気付く。
うおおお〜〜〜っと独りで取り乱し、
いや、もう、筋肉に力入れたって記憶を絞り出せるわけじゃないから……。
しばらくしてトボトボと歩き出す。
自分が誰なのか、探し求める旅の始まりだ。
ちょっとアブナい人すぎて関わりたくない気は120%だけど、怖いもの見たさか、ついつい付いていってしまうのだ。
彼が最初に訪れるところ。
これが、私の最大のトラウマになる「アレ」だった。