百億の昼と千億の夜……好きなカットを挙げるなら
漫画版での私の好きなカット、コマを挙げてみる。
百億を思い浮かべると、必ず頭に蘇る箇所だ。
●悉達多太子が阿修羅王に逢う場面。
「ーそれは」と言いよどむ太子を覗き込むように、阿修羅王が言う。
「ほ、それは?」
「ほう」じゃないところがなんともたまらない!
●「まだ破滅が来てないからだ」の答えを「ハ!」とあざ笑い、虚空に向かって手を上げる。
「これが末世だ
見るがいい!」
レイアウト、凄い!まさしく虚空を感じる〜。
●目覚めたシッタータがトーキョーシティに辿り着く。人の気配に跳び上がる場面の
ヒラリ
文句なし!かっこいい!
●トーキョーシティでのナザレのイエスの襲撃の後、阿修羅とシッタータとオリオナエが話をする場面。「これは愉快!」と立ち上がり…。
「それともいっそ本当に」と話す阿修羅のポーズ。
阿修羅の動き、所作にはリズムと音楽があるよね〜。
●さらにその後。「神とは…人々を導き救うものだ…」と言うシッタータを
肘を付いた姿勢で見ている阿修羅。特に顎に当てた手が、右は指を立て、左は握っている様子。
表情が好き。顎に当てた手をこんな風に描くの、他に見たことないし〜!
●アスタータ50で「その球体は一体なんなのだ」に答えるナザレのイエスの
「本当はいねえんだ」までの表情の変化。
小物感炸裂!憎めない〜。
●極めつけは、
アトランティスの王宮。
オリオナエの眼前に広がる真っ暗な空間!
これは怖い。ちょっとトラウマになりそうなくらいに、怖い。
例えば夜に車で走っていて、照明が少なくてやたら暗い道にさしかかったりすると、
必ずこのシーンを思い出す。
東北の震災の時。
真っ暗な街のあちこちに燃える火。
あの映像がこれに重なって、恐怖と絶望感が増した。