スマッシュを決めろ!……このタイトルはおかしい。
テニスといえば、大坂なおみさん、すごいよね〜!
実は私はここで、全然違うことに気を取られてしまったんだけどね。
名前がひらがなだ〜。
テニス漫画で一番最初にアタマに浮かぶものは、
「エースをねらえ!」。
岡ひろみ!
その他には…
「スマッシュを決めろ!」
槙さおり!
ひ…ひらがな名だよ〜!これは偶然か?(偶然です)
これは私世代の一種の劣等感から来ているんじゃないかと想うんだけど、
漫画の世界では、
お金持ちのお嬢様=画数の多い漢字の名前=憧れの存在……みたいなところがあった気がする。
竜崎麗華
もう、カンペキ見本。
小さい頃習字の際に、名前を書くのに苦労したんじゃないかと思うけど。
それに対して屹立する主人公は、どちらかと言うと親しみのある庶民派で、名前は覚えやすくて呼びやすいものだった。
ガラスの仮面の「姫川亜弓」と「北島マヤ」もそんな感じかも。
大坂なおみさんに対抗する「画数の多い」スターは誰になるんだろう〜なんて考える。
それはさておき、テニス漫画。
一番古い記憶はその「スマッシュを決めろ!」。
作者は志賀公江。かなり人気の作品だった。
ドラマ化もされている。
主演はアテンションブリーズで好評だった紀比呂子
。ドラマ化されるのは嬉しかったけど、なんとびっくり。タイトルは「コートにかける青春」と改名された。なんとまあ…。
主人公の槙さおりはテニス界の天才少女。小柄で華奢でスタミナもパワーも無い。たいしたスピードポールは打てないが相手のどんな球も打ち返し、結局相手が根負けする。君は変わってるね、と言われてたりする。
一方の東條真琴はパワフルでワイルド。場合によっては手段も選ばぬ強引なテニス。
二人は姉妹。両親の離婚で幼い頃から離れて育ち、テニス選手だった父親の夢と幻影に振り回されて対立する。
そんな話だ。
偉大なテニス選手だった父に育てられた妹の真琴だが、父のテニスの資質が姉のさおりにこそ受け継がれている事が許せない。父のテニスを継ぐのは私!と、姉を潰す勢いで反発するのだ。
まあねえ。
兄弟や姉妹で同じスポーツするのはいろいろと大変だと思う。肉親であるからこそ、競争心も妬みも、自分が劣っている思った時の苦しみもハンパじゃないよね。
ロンドカプリチョーソのアルベルのように。
けど、それより、ここで問題にしたいのはそういうドロドロじゃなくて、
必殺技だ!
偉大なテニス選手だった父が編み出し、父にしか打てない変化球。
ローリングフラッシュ。
真琴がどんなに練習しても打てなかったこの技を、さおりは父の銀色のラケットを手にした時に一発でモノにしてしまう。
どんな変化球かって?
相手のコートにバウンドする前に、あたかも戻って来るかのように空中でU字にカーブするのだ!
後で構えていては届かない。ボールはそこまで来ないから。
どうすんのがいいのかな。思いっきり前へ出て、カーブして逃げる球を追いかけるように打ち返す?
いやいや。
ローリングフラッシュにはさらなる進化があるのだ。
今の変化を仮に「縦の変化」としよう。
さおりはこの変化球を「横の変化」として使う方法を考える。
ボールをコートの外に向かって打つ。ボールはカーブしてネットの支柱の外側を回り、相手のコートへ。しかも相手の背後にインするのだ!
絵がイメージできない?
もう一回言ってみる。
外へ打った球がローリングフラッシュでカーブして
コートの外側を回って
相手の背後に着地する。
これ、あり?
ボールはネットの支柱の外を回る。ネットを越えたわけではない。
ポイント貰える?
しかもこんなマネしたら多分、ボールボーイやコート周りのスタッフに当たる。故意に打ってるんだから、当たったら失格食らう級じゃないか?
読んでいた当時は、ルール的な事は全く気にかけていなかった。
ほとんどの選手がラインの外で構えるんだし、その背後に着地してもアウトなだけじゃないか。
そしてこの漫画の最大の謎はこれからだ。
さおりはローリングフラッシュに固執し、執着し、それを打ち続ける。まるでこの変化球が幼い頃に別れて顔も知らない父親との絆だとでも言わんばかりに。
子供向けには悲しくて重い話だ。
だけど、ちょっとおかしいよ。
スマッシュはどうした?
この漫画のタイトルは「スマッシュを決めろ!」。
「スマッシュを決めろ!」なのに、
決め球が全然スマッシュじゃないのだ!
そうか!
だからドラマになる時にタイトルが変えられたのか?
「変化球を決めろ!」とか「魔球を決めろ!」とかは、なんとなく語呂が悪い。
話の最後がどうなったのかは😰
もしかして、変化球に頼るのをやめたさおりが最後はスマッシュを鮮やかに決めるのか?
だったらすいません。
私の漫画不足です😰😰😰😰。
なんやかんや言ってるけど、槙さおりはそれなりに憧れの存在だった。
お尻までありそうな長い髪はフワフワで、ゆったり束ねたスタイル。動きと共に風船のように膨らみ、浮かぶようになびく。
それが海外留学時に、
そんなんでテニスができるかっ!てな展開で、留学先の女性にバッサリ切られたのはショックだったな〜。