紅の挑戦者……「キックの鬼」のOPを久々に聴いたら、思い出した〜
先日ラジオの「アニソン・アカデミー」で「キックの鬼」のOPが流れた。
思い出した!
紅の挑戦者。
くれないのチャレンジャー と読む。
週刊少年マガジン連載のキックボクシング漫画だ。
途中から読み出して面白くなり、単行本1巻から買い始めた。
……と、簡単に言ったけど、当時私は小学生。単行本を何冊も一気買いはできない。
ひと月に1冊…?くらいのペースで、あとは古本屋を探した。
古本屋と呼んでいたけど、単行本は貸本だ。雑誌や週刊誌の類は売っていて、1週間遅れで買うと半額程度になる。友人は少女漫画誌をそのサイクルで買っていた。続きがめちゃくちゃ気になったら普通に本屋に行けば最新刊で先が読めるしね。
が、友人は、私が知る限りではその誘惑に一度も負けなかった。
かなりのしっかり者だと思うよ。
古本屋でおばちゃんに「紅のチャレンジャー」と聞く。
まず間違いなく
「ボーリングの漫画?あれへんなあ」
と言われた。
ちゃう、おばちゃん。
それは「美しきチャレンジャー」や!
「紅の挑戦者」は古本屋にあったためしがない。
人気が無かったんだろうか。
高校サッカーのスーパースター紅闘志也(くれない としや)は、遠征先のタイで超人的なキックボクサー「ガルーダ」を見る。神とも謳われるその強さに囚われた闘志也は、ガルーダを倒したい!とキックの世界に転向。数々の強敵を倒し、やがてチャレンジャーとしてガルーダの前に立つのだ!
連載時はキックボクシングが人気の頃だった……のかな?😰
「キックの鬼」が放映され、キックボクシングの中継番組もあり、沢村忠が毎週のように登場していた頃の少し後っぽい。
本編には多分、沢村忠がモデルだろうキックボクサーが出て来る。
剣持隼人。
角刈り、口髭。日本キック界の王者。
強いのはもちろん、苦労人でかなりの人格者だ。
「空中三段蹴り」を必殺技とし、ガルーダから初のダウンを奪う。
……が、ガルーダの「空中ギロチン」により、リング上で死亡する。
この必殺技。
記憶の中ではずっと「真空三段蹴り」だった。
沢村忠の「真空飛び膝蹴り」の影響だろう。
誰もが言う事だけど、この技の本来の意味だと「真空」ではなく「無重力」だ。
まるで重力など無いかのように飛び上がり、相手に蹴りを叩き込む!
いや、真空状態での「かまいたち」のように、切れ味鋭いキック!という意味なのか?
当時の実況、そんな雰囲気だったっけか?
剣持隼人はその名前ではちょっとおかしい…と、「空中」にしたのだろうか?
それを考えると「月面宙返り」は素晴らしいネーミングだ!
今は「ムーンサルト」が一般的だけど、あの技が世に出た時は「月面宙返り」。
私はこの呼び名の方が好き。
アポロ計画(月面着陸)
キックの鬼(真空飛び膝蹴り)
月面宙返り
紅の挑戦者(空中三段蹴り)
実はここらへんは全部1970年前後の出来事なのだ。
当然互いに影響し合った…と考えていい(ホンマかっ?)。
月面飛び膝蹴り
真空宙返り
……になっていたかも知れないのだ!(ないない…)
が、
月面をふわふわ漂うように歩く様子を見る限り、
「月面飛び膝蹴り」ではどうにもスピード感に欠けるな〜。
「真空宙返り」は危ないところだったんじゃないか?きっと提案したヤツはいると思う。でも多分
「真空飛び膝蹴り」に違和感を持っていた人が猛烈に反対したのだ!
危うく後世に残る間違いを犯すところだった。(読み飛ばして下さい)
さて、
紅闘志也は劇中で「真紅に燃える闘志の男」と呼ばれる。
熱いが寡黙で根性半端なく真面目な硬派。
髪型が、ボルテスⅤの健一に似ている。前髪の流し方がちょっと違うけど。
物語スタート時で多分、両親も兄弟もいない。
高校にはサッカーの特待生で入ってるっぽく、サッカーやめたから退学したんだと思う。
父親は飲んだくれだったそうだけど、彼が産まれた頃はきっと違っていたんだと想像できる。でなけりば「闘志也」なんて思い入れバリバリの名前は付けないだろう。
闘志也は1000人にひとりの運動神経…だそうだ😰(大利根会長 曰く)。
もしかしたら父親は何かのスポーツの選手で、息子に期待するものがあったのではないか?…と、勝手に妄想している。
印象に残っているシーンがある。
闘志也は大利根ジムに入門し住み込みになるが、このジム。ゴミ捨て場の中に建つ掘っ立て小屋だ。
夕食にインスタントラーメンを作る。
やかんで…だ。
麺を引き上げ、やかんの口から丼にスープを注ぐ。
わ!
良いアイデアだ!
そのうちマネしようと本気で思っていたけど、まだやってない。
スープは注ぎやすいけど、麺が引き上げにくそうだよね。
進撃の巨人……なんだよ、古い漫画を語るブログじゃなかったのかよ!との非難は承知だけと、ちょっと疑問溜まってて吐き出してるだけだから、勘弁。
……と言うわけで、今人気絶頂の漫画に手を出す挑戦。
あちこちでいろんな考察や分析がされているので私の出る幕なんて無いんだけど、回の度に消化不良が進むから、ここらでちょっとガス抜きさせて。
ガス抜いてるだけだから、
批判じゃないから、
かる〜く流してね。
私が疑問、または不満に思ってる点は
「記憶継承」だ。
ひじょ〜に設定と継承の実態が曖昧にされていないだろうか?
あちこちの場面で「思い出したか?」とか「継承したら私の中で生き続ける」とか語られる重要な事項の割には、扱いがかなりアバウト。
思い出すかもしれないし、思い出さないかもしれい。
そんなノリだよね。
戦槌と始祖は血族で脈々と継承し、厳格な使命感を持って歴史の記憶を保存している。
他の巨人は血縁よりも能力重視で継承者を選ぶ?役割分担されているってことか?
ならそれでもいいんだけど、だったらあちこちで伏線みたいな記述をするのは何故か。
そもそも、ここで継承される記憶とは何か。
前任者の?
前任者の前任者のは?
前任者の前任者の前任者のは?
思い出せるのは前任者の記憶だけ…なんて設定無いよね。
実際にライナーはポルコに「前々任者」であるマルセルの記憶を見たかと聞いている。
見るのは可能…と考えていいようだ。
しかも、前任者が記憶している前々任者の事は「前任者の記憶」の内のはずだ。(ややこし〜)。なら、思い出せない訳ではないだろう。
そうやってくと、別に始祖や戦槌でなくても、全てが始まった時の記憶まで遡れるんじゃないか〜。理屈でいえば。
記憶ってのは多分、思想に影響を与える。
特にマーレの軍部が、戦士達が前任者から何を受け継いだか野放しにしているとしたら、問題だ。
従順な様子で任務をこなしていた戦士が、実は良からぬ思想を連綿と引き継いででもしていたらどうする!
ユミルを喰って顎を取り返したポルコ。
彼が軍部からユミルの記憶を追求されている様子は無いけど、いいのか?
これは普通の記憶ではない。
重要なパラディ島の情報そのものなのに〜。
こっちもだ。
最新話でアルミンがアニの記憶を欲して接触しようとし、止められる場面がある。
なんで止める?
いや、
触れることで記憶を探れる可能性があるなら、さっさとやるべきだ。むしろ今になってもやっていない方が問題。
アルミンにしても前任者の記憶をどれくらい獲得しているのか、明かしている様子が無い。
これは個人の問題ではない。
巨人の記憶は特にパラディ側にとっては、共有すべき重要な情報だろうに。
作品の造りとしても迷走している気がする。
ユミルはマルセルの記憶を全く思い出していない。
全くだ!
少しでも思い出してたら最初からライナーやベルトルトの正体を知っていたはずだけど、そんな伏線は無い。
はっきり言って、ユミルの一連の行動&存在&結末は納得がいくものではなかった。
「後出し」感が拭い去れない。
うわ、言っちゃった。
言っちゃたついでにもう一発だ!
エレンが早々にグリシャの記憶を思い出していたら、地下室の謎なんて意味を成さなかった。
エレンとグリシャは血縁だ。
記憶の継承に血縁は有利に働くんじゃないのか?
なら、ここで、エレンがそれを思い出せなかった理由はなんだ?
「物語の都合」
あ〜〜〜、
そりゃ当たり前だからいいのよ。
進撃に限らず、物語は「都合」で展開するもんだし。
ただ、この記憶継承の曖昧さは「何でもアリ」に繋がる危険がある。
私がイヤななのは、そういうことよ。
決着や回答や謎解きを「思い出した」で済ませるのは勘弁。ストーリーの都合で記憶のスイッチをオンorオフは、なんとなく「なんでもアリの後出し」っぽい。
そのためにもそろそろ、記憶継承に纏わるそれなりのルールを読者に示しといて欲しいなあ〜と。
その制約の中で読者は話の先を予想し、胸を踊らせる。
そして作者は制約を踏まえてもなお、読者の上をいく展開を見せるとしたら…。
これ、最高っしょ。
また、SF小説を引き合いに出して申し訳ないけど、「デューン 砂の惑星」。
あまりにも多くの記憶を抱え、その記憶に苦しめられた挙句、記憶の中のひとりに自我を乗っ取られてしまう人物が登場する。
その状態は「忌まわしいもの」と呼ばれるのだけど、今のエレンがそれだったりしたら結構驚くな〜。
雨のにおいのする街……その3 話は跳んでハインラインへ
物語は急展開。
例のリンクスを魔女と呼ぶ老婆が急死…だったと思う😰
動揺するリンクスからのテレパシー(だよな)がマイケルを呼ぶ。
コンピューターに触らないように。今触ると危険。
そう言って仕事中断、飛び出すマイケル。
なんだぁ?ブツブツ一人で話してたかと思ったら〜!……と、反発した所員が「我々で直しちゃおうぜ!」と手を出すのだ。
コイツらも問題だけど、マイケルも問題だ。
そんなあまりにも中途半端なままで放ってくなよ。
しかも、天才と謳われてても、完全にナメられ。カリスマ性無いなあ〜。まあ、子供だし、仕方ないか。
村ではあのバケだぬき…こと、所長の娘か騒ぎを大きくする。彼女はマイケルとリンクスの会話を盗み聞きしていて、リンクスを魔女だと煽り立てるのだ。
そして、
「証拠はこれよ!」と、マイケルにナイフを投げつける!
「だめ!!」
リンクスが叫び、ナイフはマイケルの喉元寸前でピタリ!
見たでしょ!彼女は手を使わないで物を動かす事ができるのよ!念のためこのナイフは偽物よ!
いや、もう、なんでそんなもの持ってるの?しかも素晴らしいナイフ投げのウデ前です、バケだぬき様。
これで一気にヒートアップの村人は、銃を持ち出し
魔女狩りモード。
そして、放たれた銃弾はマイケルの肩を貫くのだ〜〜。
さあ、一気にここまで来たけど、この最高に緊迫するシーンに、当時猛烈にひっかかったコマがある。
撃たれたマイケルが倒れるカットだ!
「きゃあ!マイケル!」
きゃあ!はいいけど、口押さえて棒立ち。
倒れかかるマイケル。
アニメならスローモーのストロボだ、絶対。
う……受け止めんかいっ!
身構えることをしないで地面にぶっ倒れるって、それだけでも怪我モノだ。
ただでさえ撃たれて痛いのに〜〜。
漫画をお持ちなら見て欲しい。なかなか可哀想にみえるのだ、マイケルが。
そんな修羅場にメドゥサの所員が乱入。
触ってしまったがためにシステムが暴走。あと😰時間で爆発すると言うのだ。
「二次冷却水が沸騰している」…らしい。
半径40キロ😰だかは吹っ飛ぶって。?
やっぱ、原発かな。
これを止められるのはマイケルだけ。
怪我を負って動けない彼に代わってリンクスが現場に入り、マイケルからテレパシーで指示を受ける作戦開始!
でも、救急車呼べよ。出血、大丈夫か、マイケル。
さあ!
現場の所内はあちこち火花と煙が吹いて、バチバチ大変な状態。敵に攻撃された秘密基地か、撃沈間近の艦艇のイメージ。
マイケルの指示に従って、なんか押したり回したり。
レバーをつかんだ手のひらに火傷!
「真っ赤に焼けてて触れない!」
スカートの裾を引きちぎり手に巻きつけてレバーを握る。
そのね、レバーね。
フォークリフトかクレーンか…いや、もっと身近ならバスのシフトレバー。
握りのところが丸い玉になってる、アレだ!
巻きつけた布がブスブス煙を上げる。
下ろしたっ!次は?!
「それで…終わりだ…」
あんまし、難しそうな作業には見えなかった……。
IQ200の天才もサバスの魔女も、恋すりゃ普通の男と女。まあ、結構なことだがねえ。
……みたいなフレーズでハッビーエンド。
コンピューターの修理はどうしたろう。直すどころか致命的に壊してしまった気がするけど…。
メドゥサ2号は「考えるコンピューター」と言われてるらしい。冒頭の会話で出てくるんだけど、実際にその能力を見せる展開は無い。ちょっと残念。
例えばリンクスがテレパシーでコンピューターと会話するとか、最終的に暴走を止めるとか。
意思を持って考えるコンピューター。
当時はまだ具体的なイメージが持てない時代だったかな。
………と思ったら、とんでもない事に気付いたっ!
ハインラインのSF小説「月は無慈悲な夜の女王」だ!
月世界のコンピューター技師マヌエルは月政府のメインコンピューターが自我を持っているのを知っているただ一人の人間。彼はコンピューターをマイクと呼び、やがて月世界が地球から独立するための戦いを起こす。
そんな話だ。
いや、ストーリーは別にどうでもいい。問題はこの「マイク」。意思があり、感情を持ち、孤独に苦しみ、やがでバーチャルで自身の姿も作り出す。そして「私は生きているのですか?」と尋ねるのだ。
え?別に驚くような設定でもない?
まあね。今はそうね。
問題はこの小説が1965年前後の作品、つまり「雨の…」の中で「メドゥサ2号」が描かれるより前のものだってこと。
「考えるコンピューター」がどんなものかイメージできないなんて、もう言えないよ〜〜〜。
ってか、さすがSF界の巨匠。
その想像力は恐ろしい。
因みに余談の域に入るけど、この小説の中でもうひとつ、いつか実用化されるのではないかと思っているものがある。
射出機だ。
月の資源を地球に輸送する設備で、月面に設置された長〜いパイプ?レール?…のようなものだ。これで荷を水平に打ち出す。
月は丸い。
土地も広い。
上に向かって打ち出す必要はない。
パイプの中で脱出速度まで加速された荷は、月の重力を振り切って地球へ。それを衛星軌道で確保して、順次地球に下ろすのだ。
すごい画期的な輸送方法だと思うけど、どう?
小説の中ではこの射出機で打ち出したブツを、地球の未開発地に落として威嚇する場面がある。
すべてのブツを「マイク」がコントロールし、地球と交渉する展開はリアルでとても面白い!
そんな使い方されたら、それはそれで困るけど。
「月は無慈悲な夜の女王」はハヤカワ文庫で出ている。派手なアクションはないので全体的に地味、はっきり言って。でも月世界の社会構造が緻密に設定されていて、じっくり読むにはめちゃくちゃ面白い。
数年前にハリウッドで映画化が発表されたけど、さあ、そのあとどうなったか?
雨のにおいのする街……その2 1970年代のコンピューター観
村にはリンクスを嫌う老婆がいる。
彼女を魔女と呼ぶ。
ある時リンクスが落としたリンゴを手を差し出すだけで拾うのを見たそうな。リンゴが浮き上がり、彼女の手に戻った…とか。
リンクスは今は身寄りもない。おばあさんに育てられたっぽく、どうやらそのおばあさんはリンクスの良き理解者だった気配。
一方のマイケル。
メドゥサの修理にかかるも、現地のスタッフは「こんなガキに…」と無視&不協力。
ちょっとどころか、あまりにも考え難い環境だけど、要するに、
周りに理解者のいない孤独な2人が惹かれ合う。
そういう流れだから、まあ、必然の設定かと。
さて、ここで出てくるマイケルの作業描写なんだけど……。
作業テーブルにむかうマイケルの後ろ姿。その手元には大量の細いコードが束になって垂れている。
いかにも「修理してます!」って感じ。
これと似た印象を持った絵がある。
整備中のピナコの手元にはオートメイルに繋がったコードの束。違う点は、覚書なのか、各コードに貼られていた番号の紙かな。
ん〜〜〜〜、待てよ。
ピナコはオートメイル技師だよね。それはハードっぽい。
マイケルは何かの博士。チョーク持って計算する姿はソフト面の専門っぽい。
その作業風景に似た印象を受ける…なんてのは……?
そもそも1970年代のコンピューターのイメージは今とは全く異なる。
巨大であろう本体はもちろん、中がどうなってるのか見る機会なんて、まず、無かったし。
だいいち、ハードだのソフトだのって言葉も無かったし〜〜。
丸いディスクがシャッシャッと、変なリズムで回ってるのが見える四角い箱。
碁盤の目になったパネルにチカチカ流れるランプ。
際限なく打ち出されるパンチテープやカード。
並んでるのはボタン、スイッチ、ダイヤル、レバー。
針が振れているメーター類がズラリ。
そんなもんでしょ?
バビルの塔のコンピューターもまさにこれよ。宇宙からやってきて、塔と3つのしもべを造った科学力だけどね。
地球へ…のラストに出てきた「コンピューター・地球(テラ)」。
あれを停止させるのは、
出力ダウン、停止!と叫びたくなるような、
「レバー」だった。
エヴァのマギの中は配管だかコードだか、つまり「管モノ」いっぱいで、多分意識的だろうけど生物っぽい。でも昭和のイメージと明らかに違うのは「キーボード」だろう。進歩だなあ〜。
いや、それは今だから思うこと。
マイケルの手元のコードの束はいかにもそれらしく、彼の高度な能力を表していた。
多分一条先生だって、コンピューターの中を見たことなかったろうと思う。
当時の私達にとって、コンピューターは全くの未来のシロモノか、
単なる❳「電子計算機」だったから。
私が初めて就職した会社には、このシャッシャッシャッと動く機械があって、誰もそれをコンピューターとは呼んでいなかった。
「電算機」だ。
だから、修理って言ったらどうしたって、ドライバーやペンチが要りそうな、力技イメージ。
そして「雨のにおいのする街」は、私が会社で初めて電算機を見た、それより以前の漫画なのだ!
すごい!
………………なんだけど、
やっぱ、何の博士なの?マイケル君(笑)。
宿に帰ってからも遅くまで机にむかっている。
「濃いコーヒーが飲みたいなあ〜」
と、伸びをする。
「濃いコーヒーを持ってきたわ。お仕事たいへんなんでしょう」
と、実にタイミング良くリンクスが登場する。
そして彼女が煎れてくれたコーヒーは、濃さももちろんミルクも砂糖もマイケルの好みにピッタリなのだ。
確かに不思議なところはある。でも、魔女なんて架空の存在だし……。
「そうよ。そんなこと考えるなんて、疲れているんだわ」
………そうだな。確かに疲れて……。
マイケルはそこでコーヒーを落として驚く!
「今、なんて言った?!僕は何も口に出さなかったぞ!」
「君は人の考えていることが読めるのかい?!」
一度は否定するリンクスだけど、マイケルに見つめられて告白する。
読める。
心を許せる相手になら、自分の思考を送ることもできる。
魔女だ!本当にいたんだ!
雨のにおいのする街……たまにはそれなりにストーリーを追ってみる 1
マイケル・クライトン、15才。
IQ200の天才博士。
「考えるコンピュータ」メドゥサⅡ号の修理を依頼されてデンマークの小さな町にやって来る。そこで宿で働く女性リンクスと出会う。
「雨のにおいかする街」はそんな話だ。
作者は一条ゆかり。月刊誌りぼんだったと思う😰
およそ私の年代で、一条ゆかりの漫画を読んだことの無い女の子はいないだろうし、嫌いだった子もいないんじゃないかな。
そして中でもこの作品は読み切り物だったにもかかわらず、記憶に残っている人が多い代表作だと思う。
かく言う私も、これを読んでからもうン〜十年は軽いのに、やたらと鮮明に覚えているコマがある。
今回はいくつかのシーンを追いながら、作品に対する愛を持ってツッコミ入れたい。
冒頭。
マイケルは黒板とチョークでなにやら計算をしている。そして助手だかスタッフだかの女性に、コンピュータでの計算結果が出たか聞く。
5だか7だかだったと思う😰
女性がコンピュータの解答を伝えると
「ふむ、おかしいな」
「僕の計算では😰になるはずだ」
「そのコンピュータ、どこかおかしいな。修理を呼んだほうがいい」
ここで所長のお嬢様のお呼びを断って、マイケル退場。修理屋へ電話するこを念押しする。
女性は本当にコンピュータが壊れているのか戸惑うが、もう一人の女性は言う。
電話したほうが良い。クライトン博士は誰よりも正確だから。
そんなマイケルにデンマークにある最新コンピュータが不調だから見てほしいとの依頼がくるのだ。
「デンマークですか。まったく僕は休暇に縁がない」
な〜んて、オトナのセリフ。
でもマイケルはまだ15才。両親は事故死😰。その後に受けた知能検査にひっかかり、今は博士が自分の称号だ…と、孤独の涙が一筋………。
いや〜〜読者の'「ツカミ」としては最高!!
かわいい少年、天才、博士。
今考えると「博士」?何の?
黒板で計算している姿は数学者とか物理学者っぽい。でも、コンピュータの修理依頼?
修理している図は後ほど出てくるけど、なんとなくソフトよりもハード面っぽい。博士というより技士的な…。
だったらここのコンピュータも自分で直そう。
まあ、いいか(笑)。
かくしてデンマークに出掛けたけれど駅への迎えが来ず、村までの田舎道を歩き始める。
暑い!
見つけた川だか池だか湖だかで、すっぽんぽんで水浴び開始。普通、これは無いけどねぇ……。
そして同じく水浴びしていた美女と鉢合わせする。
きゃあああああ〜〜!
で、美女退場。
当然の展開で、その美女がリンクス。
宿で会った時に痴漢と呼ばれて狼狽〜。
自分はマイケル・クライトン。怪しい者では無い…と説明途中にリンクスは笑い出す。
「あなたがクライトン博士なの?!」
「博士っていうからおじさんかと思ったら、こんなかわいい坊やだなんて」
「私より年下なのは確かでしょ。クライトン博士」
と、マイケルの頭を撫でるのだ。
その身長はマイケルよりも高いし。
マイケルは天才博士故に誰にも子供扱いされたことが無い。
そんな彼の目に、自分を普通の子供として扱う美人で優しい年上の女性は余りにも新鮮に映る。
舞台のサバス村は森に囲まれた片田舎。時代から置き忘れられたような昔ながらの迷信が残る村だ。
タイトルの「街」は私の記憶違いではないと思うけど、「街」てはなく、どうイメージしても「村」だ。
こんな小さな村になぜ最新コンピュータ?。
😰😰だけど村の外れに原発ができて、メドゥサはその制御コンピュータだったと思う😰
なんたかなあ〜。
やってることは、こんな昔から変わらないんんだなあ〜。
ついでだけど、この村には所長のお嬢様が付いてくる。マイケルに気があって、トラブルメーカーの目印が付いている(ウソ)。
目の回りが真っ黒なほどの厚化粧で、マイケルには「バケだぬき」と呼ばれている。
ある朝すっぴんで顔を合わせ、誰だかわからないマイケルに
「素顔見せたの初めてだっけ。ぼんやりさん、おはよう」
と屈託なくあいさつする。
意外に良い子じゃないか〜。
スマッシュを決めろ!……このタイトルはおかしい。
テニスといえば、大坂なおみさん、すごいよね〜!
実は私はここで、全然違うことに気を取られてしまったんだけどね。
名前がひらがなだ〜。
テニス漫画で一番最初にアタマに浮かぶものは、
「エースをねらえ!」。
岡ひろみ!
その他には…
「スマッシュを決めろ!」
槙さおり!
ひ…ひらがな名だよ〜!これは偶然か?(偶然です)
これは私世代の一種の劣等感から来ているんじゃないかと想うんだけど、
漫画の世界では、
お金持ちのお嬢様=画数の多い漢字の名前=憧れの存在……みたいなところがあった気がする。
竜崎麗華
もう、カンペキ見本。
小さい頃習字の際に、名前を書くのに苦労したんじゃないかと思うけど。
それに対して屹立する主人公は、どちらかと言うと親しみのある庶民派で、名前は覚えやすくて呼びやすいものだった。
ガラスの仮面の「姫川亜弓」と「北島マヤ」もそんな感じかも。
大坂なおみさんに対抗する「画数の多い」スターは誰になるんだろう〜なんて考える。
それはさておき、テニス漫画。
一番古い記憶はその「スマッシュを決めろ!」。
作者は志賀公江。かなり人気の作品だった。
ドラマ化もされている。
主演はアテンションブリーズで好評だった紀比呂子
。ドラマ化されるのは嬉しかったけど、なんとびっくり。タイトルは「コートにかける青春」と改名された。なんとまあ…。
主人公の槙さおりはテニス界の天才少女。小柄で華奢でスタミナもパワーも無い。たいしたスピードポールは打てないが相手のどんな球も打ち返し、結局相手が根負けする。君は変わってるね、と言われてたりする。
一方の東條真琴はパワフルでワイルド。場合によっては手段も選ばぬ強引なテニス。
二人は姉妹。両親の離婚で幼い頃から離れて育ち、テニス選手だった父親の夢と幻影に振り回されて対立する。
そんな話だ。
偉大なテニス選手だった父に育てられた妹の真琴だが、父のテニスの資質が姉のさおりにこそ受け継がれている事が許せない。父のテニスを継ぐのは私!と、姉を潰す勢いで反発するのだ。
まあねえ。
兄弟や姉妹で同じスポーツするのはいろいろと大変だと思う。肉親であるからこそ、競争心も妬みも、自分が劣っている思った時の苦しみもハンパじゃないよね。
ロンドカプリチョーソのアルベルのように。
けど、それより、ここで問題にしたいのはそういうドロドロじゃなくて、
必殺技だ!
偉大なテニス選手だった父が編み出し、父にしか打てない変化球。
ローリングフラッシュ。
真琴がどんなに練習しても打てなかったこの技を、さおりは父の銀色のラケットを手にした時に一発でモノにしてしまう。
どんな変化球かって?
相手のコートにバウンドする前に、あたかも戻って来るかのように空中でU字にカーブするのだ!
後で構えていては届かない。ボールはそこまで来ないから。
どうすんのがいいのかな。思いっきり前へ出て、カーブして逃げる球を追いかけるように打ち返す?
いやいや。
ローリングフラッシュにはさらなる進化があるのだ。
今の変化を仮に「縦の変化」としよう。
さおりはこの変化球を「横の変化」として使う方法を考える。
ボールをコートの外に向かって打つ。ボールはカーブしてネットの支柱の外側を回り、相手のコートへ。しかも相手の背後にインするのだ!
絵がイメージできない?
もう一回言ってみる。
外へ打った球がローリングフラッシュでカーブして
コートの外側を回って
相手の背後に着地する。
これ、あり?
ボールはネットの支柱の外を回る。ネットを越えたわけではない。
ポイント貰える?
しかもこんなマネしたら多分、ボールボーイやコート周りのスタッフに当たる。故意に打ってるんだから、当たったら失格食らう級じゃないか?
読んでいた当時は、ルール的な事は全く気にかけていなかった。
ほとんどの選手がラインの外で構えるんだし、その背後に着地してもアウトなだけじゃないか。
そしてこの漫画の最大の謎はこれからだ。
さおりはローリングフラッシュに固執し、執着し、それを打ち続ける。まるでこの変化球が幼い頃に別れて顔も知らない父親との絆だとでも言わんばかりに。
子供向けには悲しくて重い話だ。
だけど、ちょっとおかしいよ。
スマッシュはどうした?
この漫画のタイトルは「スマッシュを決めろ!」。
「スマッシュを決めろ!」なのに、
決め球が全然スマッシュじゃないのだ!
そうか!
だからドラマになる時にタイトルが変えられたのか?
「変化球を決めろ!」とか「魔球を決めろ!」とかは、なんとなく語呂が悪い。
話の最後がどうなったのかは😰
もしかして、変化球に頼るのをやめたさおりが最後はスマッシュを鮮やかに決めるのか?
だったらすいません。
私の漫画不足です😰😰😰😰。
なんやかんや言ってるけど、槙さおりはそれなりに憧れの存在だった。
お尻までありそうな長い髪はフワフワで、ゆったり束ねたスタイル。動きと共に風船のように膨らみ、浮かぶようになびく。
それが海外留学時に、
そんなんでテニスができるかっ!てな展開で、留学先の女性にバッサリ切られたのはショックだったな〜。
地球へ……自転を止められるほどの超能力を考えてみた
空想科学読本の柳田先生に質問してみたいなあ。少し前には時々ツイッターで質問大会が行われていたし。
今もやってるのかな。
私も何度か質問をツイートしたけど、取り上げてもらったことは無い。
地球の自転を止めるほどの力とは、どんなものなのか。
全く想像がつかない……が、
調べたところによると、地球は時速1700kmの速さで回転しているらしい(赤道付近の場合)。
秒速だと465m。
マッハ1.4くらいだって?
ジェット戦闘機がこれぐらい…もうちょい速いか?
戦闘機を停止させることくらい、ジョミーにならカンタンにできそうだ。だけど地球はめっちゃ重い。
私には計算なんてできないけど、やってくれている記事を見つけた!
地球の自転を止めるには、太陽が1秒間に放出する全エネルギーを10分くらいの間ずっと加え続ければいいらしい。
ふ〜〜〜ん。
なんだ、10分で止められるのか。
…と思ってしまいそうな自分が怖い。
太陽の全エネルギー✕10分。
なんか、凄そう。
そんなエネルギー出せたとしたら、止まる前に壊しちゃうと思うけど、どう?
でも、
私の記憶が😰じゃなきゃ、
「アキラ」の鉄雄も同じようなこと、
言ってなかった?
確か、科学者に自分の力を説明する場面だ。
例えば、地球の自転ってあるだろ……
………それを止めてみたらどうなる?
わかるだろ、
そういう力を使うってことさ。
ちょっと😰だけど、そんな感じのセリフだった。
ふ〜〜〜む、
そういうことなのか?
2020年のトーキョーでも、SDの時代でも、
超常的な力の引き合いに出すのは「自転」?。
なんとなく、ふと思い付く、
途方もない「力」の代表なのか?
ちなみに、
地球が太陽の周りを回る速度、つまり公転速度は
秒速で約30kmだそうだ。
ここでこの記事の最初に戻る。
空想科学読本の柳田先生に、私がした質問はこうだ。
地球は秒速30kmで公転…つまり宇宙を移動している。ってことは、宇宙の然るべき場所で待ってれば、もの凄い速さでぶっ飛んでいく地球を見ることが(目で追えればだ)できるのか?
宇宙ではいろんな星が超高速で移動している。ぼ〜っと止まってたら、運が悪いと星にはねられてしまったりするのか?
残念なから、取り上げてはもらえなかった。
あ、
ちょっと思いついた。
もし、キースの質問が、
地球の自転を止めるなんてセコい話じゃなくて
地球の公転を止められるか?
だったら………?